Ambiet Musicの Harold Budd が Cocteau Twins と1986年にコラボした傑作「The Moon and the Melodies」のリマスター版を聴きました。
アルバムの中では 01.Sea, Swallow Me が人気の楽曲と言われていますが、個人的には 03.Why Do You Love Me? が最も好きでした。
エフェクトがかった異質なピアノ・サウンドによるハロルド・バッドの即興的な演奏が繰り広げられていく不思議なアルバム。
06. The Ghost Has No Home は曲頭は大変美しく名曲の予感を感じさせておいて、中間部にはバッドの自由過ぎるピアノ即興展開に (個人的に)一抹の不安を感じるのですが、なぜか徐々にそれがクセになっていくという中毒性を感じました。

+TRACKLISTING
01. Sea, Swallow Me
02. Memory Gongs
03. Why Do You Love Me?
04. Eyes are Mosaics
05. She Will Destroy You
06. The Ghost Has No Home
07. Bloody and Blunt
08. Ooze Out and Away, Onehow
+Harold Buddについて+
Harold Budd(ハロルド・バッド、1936年5月24日 – 2020年12月8日)は、アメリカの作曲家兼ピアニストで、特にアンビエント音楽とミニマル・ミュージックの世界で著名な存在です。彼の作風は非常に独特で、エレガントで繊細なピアノとドローンのサウンドスケープを特徴とし、「アンビエント音楽の詩人」とも称されることがあります。
音楽キャリア
ハロルド・バッドは、音楽教育を受けた後、1960年代にはアバンギャルドな現代音楽の作曲家として活動を始めましたが、徐々にそのスタイルを脱し、よりメロディックでアンビエントな方向へとシフトしていきました。彼の音楽は、ドローンやリヴァーブの多用によって、まるで浮遊するような感覚を与えるのが特徴です。
代表作
Buddのキャリアの中で特に注目すべき作品の一つが、イーノ(Brian Eno)とのコラボレーションによるアルバム『The Plateaux of Mirror』(1980年)です。このアルバムは、ピアノを主体とした柔らかく、静謐なサウンドが印象的で、アンビエント音楽の名盤の一つに数えられます。
また、1984年のアルバム『The Pearl』もイーノと共同で制作され、こちらも多くの評価を得ました。この2作品は、バッドのキャリアの中でも特にアンビエント音楽の進化における重要なものとして認識されています。
独自のスタイル
Buddのスタイルは「アンビエント・ピアノ」という言葉で表現されることが多く、その音楽には静かで瞑想的な雰囲気があります。通常のクラシック音楽やジャズとは異なり、彼の作品は極限まで装飾を削ぎ落としたものが多く、時には音が環境の一部として感じられるような繊細さがあります。また、彼自身が「アンチ・ハーモニー」を志向していたと述べており、従来の和声の枠にとらわれない独自のアプローチを追求していました。
その他のコラボレーション
バッドは、イーノ以外にも様々なアーティストとコラボレーションしています。例えば、ギタリストのロビン・ガスリー(Robin Guthrie)(コクトー・ツインズのメンバー)と数多くの共同作業を行い、2005年のアルバム『Before the Day Breaks』や『After the Night Falls』が代表的です。これらの作品も、繊細なギターの響きとバッドのピアノが絡み合い、夢のような音の風景を描き出しています。
晩年と影響
バッドは、2020年12月8日に新型コロナウイルスに伴う合併症で亡くなりました。彼の影響力は、アンビエント音楽にとどまらず、映画音楽や現代音楽、さらにはエレクトロニカやポストロックの分野にまで及び、多くのアーティストに影響を与えました。
彼の作品は、現代社会の喧騒からの解放を感じさせ、リスナーに深い静寂と瞑想の時間を提供してくれます。

